ムーンライダーズのドキュメンタリー映画。
新宿での上映は今週末 1/12 fri までらしいので、 見にいってきた。テアトル新宿のレイトショー。
単なるバンドのライブの映画だったら特に興味もなかったのだが、 同時代を駆け抜けてきた30年間にインタビューを通して いろんな光をあてるというもの。
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ムーンライダーズって、もちろん各人の活動は聞いているけど、 どうもバンドとしての音楽を不勉強でいままであまり聴いたことがなく、 いくつか聴いてみたCDも、引きが悪かったのか、 個人的な興味に照らして、あまりコレだという経験がなかった。 というか、一曲を最後まで聴いたことがいままでなかった。
(実際に、映画の中の演奏場面は、寝不足かつ夜中だったせいもあり、 失礼ながらなんどか居眠りして意識を失った)
基本的に、(一見)ふつうにアレンジされた日本語のロック演奏というのが 割と苦手なのです。

ただ、まあそうだろうなと思ってはいたけど、 各人ともオルタネイティブつか実験精神などに常にあふれ、 でもまあそういったエッセンスを、バンドという場では あえてシャカリキに出したりはしない、という指向、センスはすばらしいと思う。
また、東京人としての生き様というかソウル、 ちょっとシャイで、かつあまりモロとかソノモノとかヤリスギってのは かっこ悪いし、いけてないよね。という雰囲気。 映画にでてくる、ムーンライダーズと交わったひとたちも みんな同時代人だし同東京人で、このへんの空気は非常に僕もある種のツボを感じた。胸がうずく感じで、映画にどんどん引き込まれていった。

基本的に、日比谷野音でのライブのカラー映像と、 インタビューやドキュメンタリーのモノクロームな画から構成されている。
後者で個人的にぐっときたキーワード・風景は、 工場、ノイズ、インダストリアル、はっぴいえんど、ゆでめん、 サンプリングとフィールドワーク、 テクノ、Scritti Politti, Remain in Light / Talking Heads, 鉄琴やギターをばらしてスティック状にインスタレーションされた楽器?, Beatniks, MC-8, MC-4, System 100 (100Mに非ず), 高度成長期の空気の汚かった東京の幼時の思い出。このへんにぐっとくる 方はぜひ見たほうがいいと思う。来週からは渋谷UPLINKというところに 上映館が移るらしい。

最後にかかった曲、詳しい方にうかがったところ「くれない埠頭」という曲、 これは中学ぐらいのときに聴いて、 歌詞も音色も編曲もかなり影響力強く気にいって、 エアチェックした安物カセットテープを何度も何度も聴いた曲だ。 いままでヒカシューの曲だと勘違いしていた。
そう、まさにそのテープにはトーキング・ヘッズとかXTCとか トム・トム・クラブとかも入っていた気がする。同時代そのものだ。

と、いうことを、銀幕の歌声から、24年ぶりに衝撃的に思い出した。
ど、どこかで聴いたことあるぞこの曲… という想起から、頭の長期記憶のシナプスが、 遠くからひとつぶひとつぶ、少しずつ励起状態になって、 気づいたら脳の全域を覆っているという、例えようもなく 甘酸っぱく甘美で切ない官能的な体験をした。映画館を出てしばらくしても まだ胸がずきずきして痛かった(比喩じゃなくて)。 いやあ、音楽 & 年をとるっていいもんですね。