スクイークであそぼう

小学校4年生の息子が、「お父さん、もし時間があったらでいいんだけど、ゲームのプログラムを作ってみたいから、やりかたを教えてほしい」としばらく前からいっていた。

うーん、難しい。

僕がそういうのを覚えた高校一年のころは、それこそ8bitパソコンで、VRAMに1バイト書き込むと画面のソコに字が出るとか、キーボード入力はINKEY$だとかPC-8001だと INP()で行けるとか、そうしてそのうちZ-80のマシン語とかいう段取りでモノを覚えていったのだけれど、いまのWindowsな時代の子供は、いったいどこから足がかりをつけたらいいのだろう。

おそらく一番大事なことは、やりたいこと (目標、仕様) を明確にして、それを構成しているもの、そこに至るいろいろを分解して切り分けて明快にかんがえていくことだと思うので、料理の話 (カレーをつくるとはどういうことか) をしたり、あるいはテレビやパソコンやアニメで、画面のうえのモノが動いてみえるとはどういうことかを説明したりしていたが、じゃあ実際に何かパソコンでやってみたいとすると、はて何がいいのやら。

昔だとMacintoshのHyperCardという偉大なものがあったんだがな、とおもいつつ、ヨドバシカメラの書籍売り場にいってみると。

14歳からはじめるC言語わくわくゲームプログラミング教室という本があって、いまや無料でダウンロードできるBorland C++を使ったものだったが。

「思い切って、やってみる?」と聞いてみるが、やっぱりどうにも敷居がさすがに高い。
かといって、愛する息子にVisualBasicなど教える気にはならない。「××歳からはじめるHSP」みたいな本もいくつかあったが、こんなもの覚えたらダークサイドに落ちてバカになるだけだ。息子もどれを読んでよいものやら、どうにも困っているようだ。

ちなみに、「まえに遊びにいった、ピザをおしえてくれたおにいさん」が、コンピューターの勉強になる本をいっぱい出しているのを知って、「へー、すごい!」と感心していた。(kmutoさんのこと)

イマドキの子供なら、いっそFlashのActionScriptあたりから道を覚えてしまうのも、洒落ていてたのしめて、案外実践的かもしれないとおもったが…

迷っていたところみつけたのがこの本。「スクイーク」って、Squeakじゃないですか。中身もカラフルで、ていねいにわかりやすく書いてある。良い意味で「プログラミング」というよりも、モノを作って、うごかす。という本筋を追っている。なんつっても Smalltalkの末裔、肌と体でオブジェクト指向というかアニミズムな感じ。HyperCardのあの香気もただよっている。もちろんSqueakの処理系環境もWindows / MacOS用のものがCD-ROMでついている。でもって、帯巻きと、巻頭に笑顔の写真いりでこどもたちへのメッセージを述べているオジサンは、アラン・ケイ御大ではありませんか。速攻で購入。

帰宅して、さっそく妹と一緒に、まずは絵を描いたりして大笑いしながら喜んで操作している。

で、食後、その「絵」、つまりオブジェクトにアクションとかビヘイビアを与えるあたりに取り組んでいるようだ。まずは、かなりいい本・処理系にであえたようだ。よかったよかった。