July 2008の記事一覧です。

散歩もの

孤独のグルメと同じく 久住昌之と谷口ジローのコンビによる一冊。 こっちはもっとテーマが希薄な、日常のフラグメントな私小説っぽい感じ。 あと横溢する「東京人」のかすかな愛おしさとかすかな切なさ。 俺は好きだなあ。

いろんなところで主人公が飯をくう、 ただそれだけのマンガです。でもこれはいい!

孤独のグルメ (扶桑社文庫)

「グルメマンガ」ではありません。 これはこれでB級グルメといえないこともないが、 そういうふうに構えちゃうとちょっとこの本の世界と違う。

なんというか「東京人」だ。 それなりにこだわりもあるし自分の感覚も持ってるが、 シャイだし、がっつかない。 何かにやたら熱くなるとか夢中になるとか、 そういうのにどこか醒めているところも常に持っている。 うまく言えないけど同じ東京人ならわかってくれると思う。
(この「東京人」感覚は、以前ムーンライダースの映画 「Passion Maniacs マニアの受難」 を観たときにも強く感じた)

主人公はいつもスーツのビジネスマンだけど、 「島耕作」的な世界とは真逆というか、対偶にある。
(島耕作って絶対に絶対に「東京人」じゃない)
むしろ本書は、島耕作の皮をかぶった「つげ義春」な世界かもしれない。

久住昌之によるストーリーは、 ペーソス、までもいかない、もっと淡いフラグメント的なものを 醸し出していて、なんとも滋味深い。 東京人のあなた、よければぜひ見てみてください。