June 2007の記事一覧です。
2007/06/16: 沢田マンション物語 / 古庄 弘枝
高知に沢田マンションという、家主の夫婦が二人だけで建てたマンションがある。
二人だけというのは、基礎工事から鉄骨工事、コンクリート打ち、内装、外装、保守、大家業務まで、
ほんとうに二人だけでやったのである。ギネスブックにも、素人が建てた世界最大の建築物として載っていたと思う。またこのマンションは、家賃も値上げせず、一種の共同生活コミューンを形成していて、 運営・文化の面でも非常に興味深い。そんな沢田マンションのルポルタージュ。
このマンションと、このマンションを取り上げたこのルポルタージュの骨子は、このご夫婦のあまりにも強烈な個性と半生を
追うことで成り立っている。おもしろいが、やはりこの本としては、ご夫婦(というよりこのご主人)の個性と主観を
ポジティブに取り上げてゆくしかない。このあたりは、たしかに非常に興味深いが、
私にはあまり共感を持って読み進めることはできず
(基本的にあまりくどい人間関係というのが好きでない)、
まあ一冊の書物として成り立たせるにはしょうがないよねー、と思いつつ読んだ。
建築物としての沢田マンション、さらにそのコミューンの面白さ、は前半1/3程度で味わえるので、
ご夫婦のパーソナリティに興味がない場合はそこで本を置いてもよいだろう。
2007/06/14: 川上完のもうフツーのクルマは愛せない / 川上完
フォトグラファーの川上完が、ご自分の自動車趣味、ミニカー趣味にからめて、
一台につき見開きひとつで語ってゆく随筆集みたいなもの。出てくる車種は、おれですら半分以上が初めて耳にするもの。
語り口はほんとに随筆で、 たとえば飲み会や打ち上げなどで、座った席やテーブルの運がわるいと、 ひたすら特定のかたのお話を拝聴するしかなくなる場合があるが、 そんな感じもちょっとある。まあ本なので、気に入らなければ閉じればよいのだ。
2007/06/14: 未来町内会 1 / 野中英次
うちの子供たちは「魁! クロマティ高校」とか「課長バカ一代」とか「しゃぼてん」とかが大好きで、
あまりにそればかり読んでいるので単行本は自宅から会社に移動させてしまったのだが、
居間で寝っころがって買ってきた未来町内会を読んでいたら、
「おとうさん! それ野中英次の新作かよ! すげえ!」とレスペクトされてしまった。
2007/06/09: 世界の駄っ作機2 / 岡部ださく
2007/06/05: ドイツのロケット彗星-Me163実験飛行隊、コクピットの真実 / ヴォルフガング・シュペーテ
Me163コメートというと、世界初、そして事実上最後のロケット戦闘機というのは
皆さんご存知だろう。本機の特徴がロケット推進機関にあることはいうまでもないが、
無尾翼機・全翼機の最初の実用例であることも決して見過ごしてはならない。評価機DFS194の試験部隊から、唯一のコメート実戦部隊JG400までを率いた、 テスターかつ評価者かつ指揮官シュペーテの筆に出てくる登場人物は、 ルフトヴァッフェ総監アドルフ・ガーラント、 戦前からの全翼機研究家にして戦後の超音速機設計にも多大な影響を与えた リピッシュ博士、 同じく無尾翼機研究開発の大家ホルテン兄弟、 アフリカのハンサムな撃墜王ハンス・マルセイユ、アドルフ・ヒトラー、 ノボトニー、ゲーリング、ヒムラー、 第三帝国を股にかけた女性テストパイロットのハンナ・ライッチェと、 中期〜末期のドイツ航空界の人間模様を横断して、百花繚乱だ。
挿入される写真群も、 中学高校のころ粋がって渋谷のアルバンに通い、 ヴァッヘン・アーゼナルシリーズとか独語資料を小遣いはたいて 買っていた僕には既出のものも多いが、 それでもロケット全力噴射で離陸するMe163Bの迫力ある空撮や、 あるいはMe163ロケットエンジンの混合燃料、 猛毒かつ爆発危険性の高いZ液に、 人間を溶かすT液を浴びて半身が溶解してしまったパイロットの事故写真など、 鬼気迫るものもある。
全体としてかなりエッセイふうに流れていくので、 資料性というよりは読み物としてよいだろう。 ただ、Me163をめぐるテクノロジ、時代背景、登場人物あたりにある程度の 基礎知識がないとむずかしいだろう。
2007/06/05: 世界の駄っ作機 / 岡部 ださく
文林堂の「世界の傑作機」という雑誌というか薄型ムックみたいなものがあって、
各種軍用機を一機種一冊で取り上げていた。
昔から歴史のあるもので、求めやすく便利で、僕も高校のころまでは、
スケールモデラーとして当然のように本棚のまるまる横一列を「世傑」が占めていた。
この「世界の駄っ作機」は、あからさまにその「せけつ」をパクったタイトルで、 というかまずここにピンときてニヤリとする向きでないと、 読んでもさっぱり面白くないだろう。
巻頭文でイギリスの飛行機評論家が、なんで英国軍用機ばっかネタにするんだと 半分冗談半分マジで怒っているが、やはり英国の不気味デザイン(見た目も設計も)は 駄作機の花園だ。 宮崎駿、押井守といったその筋の強者たちとの対談、寄稿もぴたりとはまっている。 中級以上の飛行機オタクにはかなりのおすすめ。
「岡部ださく」は、 飛行機・軍事・メカ評論家の岡部いさく氏の、このシリーズ専用のペンネーム。
この「世界の駄っ作機」は、あからさまにその「せけつ」をパクったタイトルで、 というかまずここにピンときてニヤリとする向きでないと、 読んでもさっぱり面白くないだろう。
巻頭文でイギリスの飛行機評論家が、なんで英国軍用機ばっかネタにするんだと 半分冗談半分マジで怒っているが、やはり英国の不気味デザイン(見た目も設計も)は 駄作機の花園だ。 宮崎駿、押井守といったその筋の強者たちとの対談、寄稿もぴたりとはまっている。 中級以上の飛行機オタクにはかなりのおすすめ。
「岡部ださく」は、 飛行機・軍事・メカ評論家の岡部いさく氏の、このシリーズ専用のペンネーム。



