May 2007の記事一覧です。
2007/05/17: 外注される戦争-民間軍事会社の正体 / 菅原 出
「民間委託」の流れはいまや軍事の分野にも及んでいる。2003年にはじまったイラク戦争で米軍の「影の同盟者」ともいうべき役割を果たしているのが民間軍事会社(プライベート・ミリタリー・カンパニー=PMC)と呼ばれる企業だ。日本では、元自衛隊員の斎藤昭彦氏がイラクで武装勢力に襲撃された事件で同氏が所属していたPMCが注目された。育った家庭もあるのか、官・公ではなく民がすべてだぐらいに思っているので、非常に興味深い。
戦闘地域での物流、捕虜の尋問、メディア対策、果ては戦闘行為まで、多岐に渡る「サービス」を提供し、イラクでは一国の軍隊と同規模の人員を一社で派遣している例まであるという。いまや米軍の作戦行動はこのPMCなしには遂行できない状況なのだ。にわかに注目されることになった新ビジネスの実態を企業側、そして最大の顧客である米軍関係者に取材した刺激的なノンフィクション。
メリット・デメリットとも透明に取り上げている。とてもおもしろく読んだ。
現状認識と、ニーズと、ソリューション。の本なので、そうじゃなくて、
「私企業と政府がグルになって戦争をやっているなんて! ああ恐ろしい、キー」みたいなものを求めて読みたい場合には
まったく向かない。そういう場合は、駅のホームで朝日新聞でも拾って読むとよいだろう。
2007/05/09: 搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! / 阿部 真大
以前どこかで薦められているのをみて、図書館の予約リストにいれておいて忘れていて、最近
Ar-
にまた薦められたので思い出したらちょうど図書館で予約取り置きになったと連絡がきた。
著者は社会学の学生。おそらく? この取材のために一年間東京大学を休学してバイク便の現場に飛び込んだ、 その一年の軽い感じのルポルタージュ。軽めの文体ではあるが、 いろいろな考察を加えていて面白い。問題や対象に、まさに切り込みはじめた。 というところ。 過酷な労働現場を糾弾する! とか労働者よ立て! というような、鎌田彗とか小林多喜二といった芸風の本ではないので、 そういうものを期待するとだめだろう。
文中にもちょっとだけ言及があるが、
趣味と仕事の混合・混同からワーカホリックに至るヤバイあれは
SEとかにもありがちなことで、我が身を振り返ってもいろいろ。
まあ類似性とかアナロジーをいいだすとキリがないし、
そう思い出すとなんでもそう思えてきてしまうもの。
(占いとかにはまる心理と一緒)。
とはいえいろいろ示唆に富み、考えさせられる50分だった。
(小冊なので通勤の片道で読める)。
最後に、この一冊は The Smiths ばっかずっと聴きながら書いたとかいてあった。いいね。
