2005/11/22 (Tue)
#1 目玉 / 吉行 淳之介
随筆集。 吉行淳之介の随筆を読みつけている人なら既出のエピソードもいくつかあるが、 主たるものは書籍題名にもなっている「目玉」で、 自身の白内障手術のまわりのものごとを、いつもながらの不思議な冷静さと 透明なユーモアとかすかな残酷さで語っている。 全体をとおして、すずしさと冷たさの中間ぐらいの、そして時折 色彩がきらめくような文体が通されている。
吉行淳之介のエッセイは、そうとうくだけたエンタメ指向のものもあり、 そしてそれらは口述筆記だったりするのかなぁ、 あるいはこの陽気さは、逆に本人は相当体調や発作や鬱で参っている反動なのだろうなあ、 とかおもうのだが、 この一冊は、随筆でなく吉行文学のほうを好む向きにもいける一品。 おすすめ。
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